環境省は、住宅やビルを解体・改修する際、アスベストの有無を事前に調査し、都道府県に報告する事を工事の実施者側に義務付ける方針を固めた。すべての建物が対象となり、報告は年間数十万件に上る見通し。同省の審議会で人の健康や生活環境の保護を定めた大気汚染防止法の改正を検討し、2021年春の施行を目指す。※読売新聞2019年6月23日朝刊1面から

アスベストとは、現在は使用が禁止されている細い繊維状の鉱物で耐熱性に優れ、防火・防音・断熱用に1955年頃からビルや工場、住宅などに広く使用されていました。

アスベストは飛散しやすく吸い込むと中皮腫やがんを発症しやすくなると言われていて、2006年には使用が禁止されましたが、それ以前に建設された建物には使われているケースが多く、それらは今も多くの建物に残っているとされています。

現在、建物の解体や改修を行う際にアスベストが見つかった場合は自治体に届ける事になっていますが調査が行われないことも有るそうで、新たな仕組みでは、解体・改修する建物は全て事前に調査を行い、アスベストの有無を自治体に報告する事となるようです。

ここで注目して頂きたいのは、「解体・改修する建物は全て事前に調査を行い~」というところ。これは、解体業者のコストアップに繋がるので解体費用が値上がりする事になりそうです。2021年春の施行を目指すと書いて有りますので、その通りになるとしたら残り2年を切っています。この2年の間にも法施行前に駆け込みで解体する人も増えるでしょうから徐々に値上がりする可能性が高そうです。(解体工事費用は需給の影響を受けて相場が変化しやすい印象です)使わない不動産の処分を先送りした時のコストアップの要因がまた一つ増える事になりそうです。